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2006年10月15日 第119号
REPORT これがCSRのモデル! 非常時の水供給、環境負荷低減、水道料削減を一挙解決
200×年×月×日、首都直下地震が発生した。水道管の破裂により東京都内の水供給は完全にストップ。防災対策はあったものの日が経つにつれ都民のほとんどすべてが、求める量の確保に苦しみつつあった。その中、なぜか狛江市の住民だけが溢れんばかりの水を入手できた。提供したのは慈恵医大第三病院。被災患者を含め病院で必要な量を使用した上で、なおかつ地域住民に供給できた。不思議な現象を支えたものは地下水だった。
INTERVIEW 日本政策投資銀行・古宮正章政策企画部長 CSR・SRIで地域再生
SRI(社会的責任投資)という言葉に注目が集まりつつある。金融の力で企業活動を環境、防災、地域再生・まちづくりに誘導するものだ。こうしたCSR(企業の社会的責任)活動を促進する展開を先行する日本政策投資銀行の古宮正章・政策企画部長にインタビューした。
東京農工大・柏木教授に聞く ポスト京都議定書はAPP
京都議定書が規定する国単位の温室効果ガスの削減ではなく、例えば床面積あたりの排出量など原単位を規制する考え方に注目が集まっている。APP(クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ)により、その考え方はポスト京都議定書として主流になりつつある。日本の省エネ技術を世界に売り込める大きなチャンスになりそうだ。APPの動きを柏木教授に聞いた。
NEWS 環境省が環境・金融融合のレポート SRIなど金融機能を活用
環境省は18年4月、環境と金融に関する懇談会を設立し、検討を経て「環境等に配慮した『お金』の流れの拡大に向けて」というレポートをまとめた。金融機能を活用することで環境問題の解決を図ることがテーマ。レポートでは、個人投資家・預金者、機関投資家、金融機関、企業、行政、各主体に期待される役割を提示。特に情報の必要性が示された。
企業PR 子供の安心情報を提示するマップシステム 安全情報を携帯やパソコンで書き込み共有化
上下水道プラントなどに実績がある重電メーカーの竃セ電舎(東京都中央区日本橋箱崎町36―2)は、児童惨殺など悪質な事件が多発している現状から、住民参画型情報システム「子供の安心情報を提供するマップシステム」を開発。来春の実用化を目指し、全国の自治体をはじめ教育委員会、PTAなどを中心に導入を働きかけている。
システムは、インターネットを介し学校や警察、行政、自治会・こども会、地域住民が安全情報を携帯電話やパソコンから書き込み、「子供の安心安全情報の地域ポータル」として一括管理、共有化を図るというもの。地図上で、子供でもわかりやすい言葉で、危険情報などが把握できる仕組み。絵や写真の添付も可能だ。問い合わせは同社産業システム本部ITシステム営業課(03-5487-1626)
TOPICS 「BeGoodCafe」って何だ?
「持続可能な社会と平和」に関する情報や知恵を共有しようという人たちが集まり、月に一度、皆で地球環境や社会について語り合ったり、勉強会やワークショップ、イベントなどを行う「BeGood Cafe」(http://www.begoodcafe.com/)。東京の原宿から始まり、大阪や福岡、宮崎、名古屋など全国十数カ所に様々な形で広がっている。
そんな活動のひとつ「BeGood Cafe 安曇野」は、豊かな自然環境と景観を残す長野県の安曇野市にあるペンション「舎爐夢(シャロム)ヒュッテ」を舞台に、「パーマカルチャー※」や「コミュニティライフ」「オーガニックな生活」など、自然と共生するライフスタイルについて、1〜2泊の滞在を通して実際的な技術を学ぶワークショップだ。
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これがCSRのモデル! 非常時の水供給、環境負荷低減、水道料削減を一挙解決
いざという時の水供給、環境負荷低減、水道料金の削減、この3つの課題を一挙に解決してしまう夢のシステムが存在する。潟Eェルシィ(東京)の「地下水膜ろ過システム」だ。地下水を活用してコストダウンを図り、大地震発生後の断水に対応、環境へも貢献する。
CSR(企業の社会的責任)やBCP(事業継続計画)※が問われる中、同システムを導入する病院などが全国で急増している。病院がいざという時の社会的責任を果たせるからだ。そしてウェルシィの事業そのものがCSRのモデルともいえる。こうした企業の活動を金融の力により促すSRI(社会的責任投資)という考え方にも注目が集まりつつある。2600億円という日本の現在の市場を増やそうという動きもある。ウェルシィの事業展開にスポットを当て、環境保全、防災、さらには地域再生・まちづくりの機動力となり得る、21世紀の企業の在り方を探る。
3割近くもコストダウン
CO2は2分の1に低減
「地下水膜ろ過システム」は、料金がかからない地下水を100m前後の深井戸を掘って取水。砂ろ過と膜ろ過装置を通すことで飲料水として供給する。深井戸とするのは、汚染されていない被圧帯水層の地下水を得るため。砂ろ過は自治体主体の浄水場で一般的に実施されている。ここへさらに膜ろ過を加えることにより安全で高品位な飲料水を提供できる、という。
同システムは大きく3つの特長を持つ。@水道料金削減(経済性)A大地震発生後の断水対応(防災)BCO2低減(環境)―だ。
@は一定規模以上の飲料水を使用する施設において水道水と並存させることでコストダウンを図ることができる。
渡辺愛彦常務は「システムは規模により価格は異なるが平均すると3500万円〜4000万円。リースが多い。例えば導入前の上水道料金が年間2444万円かかっていたケースがある。導入後、リース代432万円、維持管理費493万円、上水道代836万円で、年間682万円もの削減が可能となった」と説明する。3割近くもコストダウンができるというのだ。
Aは防災。同システムは足元から取水しているため地震に強いという。渡辺常務は「地震発生後はかならずといっていいほど水道管が破裂する。配水管は地中にあるので揺れに弱く、1カ所が壊れると先に水は届かない。阪神大震災では復旧するまで最大3カ月かかった。当社のシステムを導入すれば平時から水道水と同時に使用しているが、いざと言うとき補完できる。特に病院など災害時にBCP(事業継続計画)をクリアしなければならない施設に適切で現に導入事例が増えている」と解説する。
例えば東京都狛江市にある慈恵医大第三病院は1日200トンの水を使用する。ここへ導入されている同システムは1日最大で480トンを供給できる。災害時、断水した場合、病院で活用する水を除いた、480−200=280トンがうく。同病院は、これを地域へ提供することを予定している。自治体が病院へ水を提供するのではなく、病院が地域の人々へ飲料水を供給するのだ。同病院はBCPの考え方をクリアしていると同時に、CSRを果たしていることになる。
BはCO2削減。潟mルド社会環境研究所(日本)のデータでは、大規模公共水道の排出量の2分の1に低減できる。
渡辺常務は「当社のシステムは公共水道のダムや浄水場を分散型にしたもの。環境面での効率を上げる結果となった」と説明する。
では地下水取得による地盤沈下などの問題はないのか?
渡辺常務は「工業用水として使う量はケタが違う。飲料水として利用する程度の量は問題ない。日本全体では地下水は使用されておらず絶対量が増えているため、大地震時の液状化誘発に対する危惧もあるほどだ」と指摘する。
販売実績は2006年6月30日現在、538件。販売累計の4割近くが病院、次いでスーパー、百貨店、ホテルなどの順。
最後に渡辺常務は「狛江市の慈恵医大は例外的に昔からの井戸があったため導入できた。ところが東京都は条例で井戸を掘ってはいけないことになっている。首都直下地震の迫る都内でいざとなれば被害を受け病院はパニックになる」と問題提起をした。
※潟Eェルシィ=昭和60年設立。福田章一社長。年商50億円。従業員101人。資本金3億2550万円
※「地下水膜ろ過システム」=同システムを導入するかどうかの水準は、水道代金が年間3万トン(1立方メートル当たり250円)以上。ただしそれ以下でも相談には応じるとしている。地下水だけの100%供給はしていない。二元給水体制が安全面から重要なためという
投稿者 machizukuri : 更新日2006年10月15日
