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2007年04月29日
蔵めぐりスタンプラリー2007開催!!(中島洋一)
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行田市中心市街地に残る14の足袋蔵などの歴史ある建物で、2日間限定で工芸作品の展示・販売、コンサート、映画会、マジックショー、蔵出しレトロ・グッズの展示・販売、足袋工場見学&足袋のバーゲン・セール、昔の遊び体験など様々な催しが同時開催されます。全ての蔵を巡ってスタンプを集めると素敵なプレゼントがもらえちゃいます。ぜひこの機会に行田に来て、レトロ気分で蔵めぐりを楽しんでみませんか?
イベント名 蔵めぐりスタンプラリー2007
開催日時 2007年5月19日(土)・20日(日)10:00〜16:00
開催場所 忠次郎蔵、足袋とくらしの博物館ほか14の行田市中心市街地の歴史的建物
参加費 大人200円小人100円(足袋とくらしの博物館入場券付)
参加方法 当日忠次郎蔵へまず来て受付してスタートしてください(事前申し込み不要)
*忠次郎蔵へは、秩父鉄道行田市駅下車徒歩5分、あるいはJR高崎線吹上駅下
車朝日バス前谷ものつくり大学経由行田車庫行き商工センター前下車徒歩3
分、もしくは同佐間経由行田車庫行き新町1丁目下車徒歩5分、お車でお越
しの際には、国道125号線沿いの行田商工センター駐車場に駐車して徒歩3分です。
問い合わせ先・主催 NPO法人ぎょうだ足袋蔵ネットワーク(TEL 090-8726-4962)
*イベントの詳細は下記のサイト“蔵めぐりスタンプラリー”のコーナーをご覧ください。
「NPO法人ぎょうだ足袋蔵ネットワーク」
http://www.tabigura.net「地域ポータルサイトぷらすくん」
http://www.plus-kun.com/town/info/kura-stamp.pdf
投稿者 machizukuri : 更新日2007年04月29日
2007年04月25日
第138号

行政の目線で社会問題の解決に挑む
影の内閣で雇用創出
総合人材サービス大手のパソナは、創業31年目にあたる今年をソーシャル・ソリューション(社会の問題点を解決する)元年と位置付け、地域活性化や農業、環境、教育など、国の省庁と類似した13のプロジェクトチームを社内に立ち上げた。名付けてパソナ・シャドーキャビネット(影の内閣)。「雇用創出は国家的な産業に近い。だから私たちは行政が考えている社会的問題に対してパソナとして何ができるかを考えていかなくてはいけない」(南部靖之社長)。作家の石川好氏を議長に招き、プロジェクトごと責任者=大臣を決め、それぞれ各5〜6人のスタッフが、各テーマの中で新規事業を開拓していく。利益優先ではなく、社会的な課題解決に取り組めば、「利」は後からついてくるというのがパソナ流の事業戦略だ。疲弊した地域を、企業が活性化させることができるのか――。創業から30年で、ベンチャー企業からグループ全体で年商2000億円を超す大企業へと成長を遂げたパソナ社長の南部靖之氏に聞いた。
<・・・「もっと詳しく見る」 から、続きが読めます。>
地域活性化は人材創出が課題
狙いはマッチング・ビジネス影の内閣で雇用創出
パソナ・シャドーキャビネットにより、具体的にどんな事業が生まれるのか。13テーマの1つ「地域活性化」プロジェクトでは、すでに省庁や研究機関、全国の商工会議所からの情報収集を始めている。責任者の石田正則氏は「実際に地域を活性化していこうという人の部分に問題があるように感じています。そういう人を各地域でいかに育てるかが課題」とする。解決策として考えているのが、約3000人の社員を中心にした、それぞれの出身地を応援するモデルづくりだ。同社にはグループ企業を含めると全国78拠点がある。地方出身者は多い。
<・・・続きは紙面で>
47都道府県の先進施策にスポット
統一地方選後の新人知事の施策は?
まちづくり新聞では、4月8日に行われた地方選で当選した13知事を含めた、47都道府県における先進政策にスポットを当てた(全国知事会データから)。地方自治体の政策官庁への転換が求められている。新人知事を含め、地域独自の政策に注目が集まっている中、各都道府県ごとの先進施策などを紹介する。
<・・・続きは紙面で>
NECの危機管理ソリューション
自治体トップの防災技術を生かす
日本電気株式会社(東京都港区芝5│7│1、以下NEC)は、全国自治体における防災システムの導入率トップを生かし、BCM(事業継続マネジメントシステム)をはじめ危機管理ソリューションを一般企業向けに強化している。同社が提供する防災・危機管理の考え方と製品・サービスを紹介する。
<・・・続きは紙面で>
創業31年目にあたる今年をソーシャル・ソリューション元年と位置付けた意味は何か?
総合人材サービス大手のパソナがもくろむ地域活性化ビジネス
企業というのは寿命が30年とも言われていますよね。パソナも31年目に入ったことで「創業の精神」を忘れないようにしっかりと志を持っておこうということです。
創業の精神というのは、当然ながら創業のオーナーがいる間が一番、伝えやすいわけです。オーナーが代われば、創業精神が伝わりにくくなるし、企業が大きくなるにつれて夢が欲望に変わってきてしまう。
創業者、オーナーというのは大抵「こういう世の中をつくりたい」という夢をもって事業を始めるものです。年齢、性別を問わずに誰もがいつでも自由に働ける世の中をつくろうとか、今の雇用インフラでなかなか働けない家庭の主婦に道を開こうとか――。
若い時は、若者の特権と言いますか、損得抜きの志があって、これが成し遂げられたときには世の中がかわるような熱い情熱を持っています。しかし、その志が野望になると、100億円企業よりも1000億円企業、それよりも1兆円企業へと売り上げを伸ばすことが目的になったり、M&A(企業の合併・買収)をしようとか、銀行買収をしようとか、いろいろ出てくるわけです。
だから、30年経つと企業が滅びるという理論は少なからず、当たっていると思います。たまたま僕は20代で会社を起こしたけれど、40代〜50代で会社を立ち上げると30年ぐらいで創業者は代わってしまう。そして、息子だとか、娘とか、サラリーマン社長が会社を引き継ぐ。こうなってくると、経営者は権力に固執し、その結果、企業は社会のニーズから離れていくわけですよ。
<・・・続きは紙面で>
投稿者 machizukuri : 更新日2007年04月25日 | コメント (0) | トラックバック
2007年04月15日
第137号

住民組織区民会議の挑戦!
地域課題の解決策を練る
「窓口サービス機能」を行う出先機関にすぎなかった政令指定都市の行政区が変わりつつある。川崎市宮前区は、全国で初めて民間人を区長に登用し、同時に市民協働のまちづくりを進めている。区内の課題を自ら発見し、区民会議という住民組織を通じて、その解決策を打ち出した。例えば高齢者対策では「ご近所サークルの形成」、「学校給食体験」、といったユニークな提案をしている。民間区長の力がうまく発揮され、住民との協働によるまちづくりが始まろうとしている。この活動にスポットを当てる。
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穂坂前志木市長が講演
政策立案のノウハウ教えます!
公務員などのスキルアップを目的とした政策実現塾☆きらり(東京)は3月21日、東京都内で第1回勉強会を開催した。当日は前志木市長でNPO法人・地方自立政策研究所代表の穂坂邦夫氏が「一人の地方公務員のやる気と知恵が地域を変える」というテーマで講演した。その内容から。
<・・・続きは紙面で>
インターリスク総研小林誠氏の講演より
BCPは誤解されている
BCP(事業防災計画)という言葉がようやく定着してきたが、誤解されている点がいくつもある。
まず、BCPを手順書(対応マニュアル)と考えている人が多い。BCPとは、計画そのものであって、決してマニュアルだけではない。マニュアルだけでは、運用に必要なPDCA(計画、実行、見直し、行動)のサイクルはまわらない。「いつ誰が何をするのか、推進体制は、予算は」といったプランが必要になる。これがBCPだ。経営計画を経営マニュアルと言わないのと同じだ。
さらに、BCPは地震防災の延長線上にあるものだと勘違いされることも多い。
<・・・続きは紙面で>
NPOまち研究工房(戸田市)の活動
街を媒体にする
埼玉県戸田市のNPO法人まち研究工房(金田好明代表理事)は、高架下や、日中あまり日が当たらないような街中で利用されにくい敷地に、木造の小さなベンチ「おやすみ処」を設置、お年寄りや障害者の休憩場所として有効活用している。
ベンチには、地震などの災害に備えて防災用品や緊急用品を収納、雨水タンクや浄化ポンプをセットで併設することで、防災・環境の情報発信基地としての役割も持たせている。街そのものを媒体にして、社会に役立つ製品やシステムを扱う企業と、防災・環境製品などの情報を集めている市民や行政をマッチングさせるねらいもある。
<・・・続きは紙面で>
子育て支援「赤ちゃん広場」
行政区が市民協働の拠点に
20人の地域住民で構成する宮前区区民会議は18年度から検討してきた地域課題の解決策を19年に入り、大下勝巳・区長に報告した。高齢者福祉対策は「ご近所サークルの形成」「高齢者の学校給食体験」など8提案、子育て支援策は「赤ちゃん広場の拡充」「地域に向けた子育て情報の発信」など9提案。「ご近所サークル」は区内各地域単位に、「顔の見える関係」(小さなコミュニティー)を築き、独居老人などを支え合うもの。自然発生的に生まれた20サークルの存在が同区では背景としてある。「学校給食体験」は高齢者が学校給食を通じて栄養改善や世代間交流が図れるというもの。「赤ちゃん広場」は現在、区内にある母子交流の場を拡充する。「情報発信」は高齢者などへも投げ掛けることで支援を誘導できる。子育てを手伝いたいと考えている高齢者が多いことが背景にあった。
高齢者対策「ご近所サークル」
地域の課題解決策をまとめた報告を受け、即、区としての取り組みを公表した。担い手の主体を市民・区・市のどこに置くかを明示。その上で区役所の取り組み方向を示した。例えば「ご近所サークル」は市民が主体。区はビデオを作成するなど現状のボランティア活動を紹介、普及啓発面で支援する。「学校給食体験」は市民・区役所・市役所が各担い手となり、その上で区はモデル校設定などを実施していく。
19年度から具体的に課題解決策の実践的なまちづくりが行われていく。
大下区長は「従来の公共は行政が独占していた。新たな公共は民間の参加が加わり行政と協働で構築していく。実践事例が区民会議。区民が地域の課題を自ら発見し、自ら解決策を考え、行政といっしょになってまちづくりをしていく。従来、権限のなかった政令市の行政区が市民協働の拠点となるのだ」と説明する。
<・・・続きは紙面で>
投稿者 machizukuri : 更新日2007年04月15日 | コメント (0) | トラックバック
2007年04月05日
第136号
共働き時代の難題「病児保育」に挑む
補助金には頼らない
夫婦共働きが、いまや当然の社会。だが、その影で病気になった子供の保育が大きな問題となっている。病気になった子どもを抱えた親が安心して働ける社会環境が十分に整っていないからだ。「看病のたびに休暇を取れば会社を首になる」「休みがちのため正社員になることができない」など、企業や親の都合により、子どもたちは最も愛する人に甘えたい瞬間、自分の親から複雑な目線を向けられる。こうした課題を解決しようと、東京都のNPO法人が社会の仕組みを変えるべく挑戦を続けている。補助金はゼロ。取り組みに必要な2000万円超の事業費は自力で調達。地域の「ベテラン子育てママ」の力を結集することで、行政に頼らず病児保育の難題をクリアする方法を編み出した。そのノウハウは、大型マンションの建設にまで取り入れられることになった。NPOを率いるのは弱冠27歳の独身、駒崎弘樹氏。社会を変える若きエネルギーと、柔軟な発想に迫った。
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ITベンチャーからソーシャルベンチャーへ
27歳独身だから病児保育を解決できる
NPO法人フローレンスの代表理事である駒崎弘樹氏は、大学時代にITベンチャーを立ち上げたほどの人物だ。大学卒業後に、ベビーシッターをしていた母親から、子どもが熱を出し仕事を休んだことで解雇されたお客さんの話を聞き、病児保育問題を初めて知った。これがきっかけで、共同経営者に会社を譲り、社会的な問題を解決するソーシャルベンチャーの道へと人生の舵(かじ)を切った。
「正直な話、ITベンチャーをやっていて、かなりしんどかったんですね。六本木ヒルズに住みたいわけでもないし、外車に興味があるわけでもないし、モチベーションを持ち続けられなかった。それより、何か社会のためにできないか、社会の問題を解決する仕事に携わりたいという思いが強くなってきました」。
駒崎氏の頭の中にはアメリカで見たNPOの活躍があった。「NPOのホームページを開くと、信じられないくらいかっこがいいんですね。それだけ経営力があるのでしょう。NPOなのにCEO(最高経営責任者)があいさつするし、マーケッティング・ディレクターという役職もあるし、驚きの連続でした」(駒崎氏)。
<・・・続きは紙面で>
映画制作やミュージシャンの育成にも
市民ファンドで地域活性化
地域を活性化させるための資金調達の手法として、「市民ファンド」に注目が集まっている。地域の課題解決などのために、市民に投資をしてもらい、成果の一部を配当として出資者に還元するというもの。NPO法人北海道グリーンファンドが風車建設のための資金集めに、わずか2カ月で4億円もの資金を市民から調達するなど、ここ数年、活用事例が増えている。
東京財団は3月19日、「市民ファンド」をテーマにした勉強会を都内で開催した。地域を舞台にした映画制作に市民が投資した事例として、映画「波山」の制作委員会で現・茨城県教育庁生涯学習課主事の橘川栄作氏、また、音楽業界で市民ファンドを活用してミュージシャンを育てているミュージックセキュリティーズ株式会社の猪尾愛隆取締役がそれぞれ講演した。
<・・・続きは紙面で>
日立エンジニアリング・アンド・サービスの洪水シミュレータ
リアルタイムで3次元予測
地球温暖化に伴い、世界的な異常気象が原因でハリケーンや津波による大災害が相次いでいる。日本国内でも、ここ数年集中豪雨による被害が多く、水害の危険性が増している。そんな状況の中、鞄立製作所中央研究所は�日本気象協会と共同で、高度な洪水シミュレーション技術を開発した。その技術を応用した「リアルタイム洪水シミュレータ DioVISTA/Flood Simulator」(以下、ディオビスタ)が昨年11月、鞄立エンジニアリング・アンド・サービス(本社:茨城県日立市幸町3丁目2番2号 社長 矢内勝也)で商品化された。同製品と今後の展開を紹介する。
<・・・続きは紙面で>
NPO法人フローレンス(東京都)
東京都中央区の都営住宅団地の跡地に、子育て支援マンションが平成19年度から建設される。都の所有地を有効活用するため、民間の発想を使ってまちづくりを行おうというもので、この施設に、NPO法人フローレンス(駒崎弘樹代表理事)のノウハウを取り入れた企業グループの提案が採用されることになった。
建物は45階建てで、病児保育施設や小児科医院、幼稚園と保育園を一元化させた認定子ども園や、学童保育など子育て機能を充実させる。都が事業者を公募する際、条件として「子育て支援機能を取り入れる」ことを打ち出し、これを受け、東京建物鰍窿Cヌイ建物鰍轤ナつくる企業グループが、病児保育で高い実績を持つフローレンスに協力を呼びかけたのだ。
マンション全体のプロデュースはデベロッパーである東京建物、イヌイ建物らが行い、子育て支援に関してはフローレンスが企画・運営を行う、いわば「NPO・企業連合」である。
大手デベロッパーまでもが目をつけるフローレンスのハウツーとは何か――。その答えが、補助金を一切使わないで、病児保育を事業化している経営戦略に隠されている。
脱施設からの発想
施設は、600程度とされている。厚生労働省によれば、17年度の病児保育施設への交付件数は598件(乳幼児健康支援一時預かり事業)で年々、増加傾向にある。が、一般の保育施設や小児科では、原則として病気の子どもを預かってもらうことはできず、共働き世帯が増える中、病児保育のニーズは満たされていないのが現状だ。
その理由は、経営的な自立が困難なため。全国病児保育協議会(事務局:大阪市中野子ども病院内)が加盟施設を対象化に行った平成15年度のアンケート調査では、収支に関する質問で、はっきりと黒字と答えたのは1割にも満たなかった。逆に、はっきりと赤字と答えた施設は6割を超えた。
採算性の壁を越えるためにフローレンスが考え出したのが「脱施設」の事業展開。特定の施設を持たず、地域のベテラン子育てママの家で預かるシステムを構築することで固定費を大幅に削減。さらに、通常のベビーシッターのように従量制課金にするのではなく、月会費制とすることで経済的な価格でサービスを提供できるようにした。毎月の会費を積み立て、そこから必要な経費を賄う、いわば「共済型」の仕組みだ。
入会費は2万円。月会費は子どもの体質やサポート内容などによって異なるが5000 円から2万円で、3カ月に1回の見直しを行う。サポート内容には、月1回の病児保育の利用枠がついていて、2回目以降は1時間1000円〜が掛かる。これが病時保育の収入源。
一方、支出は、子どもを預かってくれる地域のベテラン子育てママ『こどもレスキュー隊』の研修費と謝礼、子どもを病院まで送り迎えするタクシー代など。特に、『こどもレスキュー隊』への謝礼金は、1時間900円〜1300円と決して安くはない。病児保育を行った時間によって金額は異なるが、1月あたり数千円の人もいれば最大10万円近く稼ぐ人もいる。
ちなみに初年度の事業費(平成17年4月〜18年3月)を見ると、病児保育にかかった経費(支出)は931万6711円。これに対し病児保育事業だけでの収入は504万1931円で、この収支だけでは大幅マイナス。しかし、これは初年度ということもあり利用者(登録者)数を意図的に38世帯に抑えたため。
駒崎氏は「子どもの命を預かる仕事なので、事業拡大を急いで質を落とすようなことはできません。信頼できるスタッフを育てられるまでは利用者を増やさない方針です」と慎重な姿勢を見せる。
<・・・続きは紙面で>
投稿者 machizukuri : 更新日2007年04月05日 | コメント (0) | トラックバック
2007年04月03日
学校施設における地場の木材活用を目指して
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学校施設における地場の木材活用を目指して〜中津市の教育施設事情〜
■中津市はどんなところ?
中津市は、九州の大分県の西北端に位置し、北西は福岡県に接し、北東は周防灘に面しています。面積は491.09kuで、市域の約80%は山林原野が占め、山国川下流の平野部にまとまった農地が開けています。
地理的・地勢的には以上の通りですが、慶應義塾を創設し、著書として「學問ノスヽメ」「西洋事情」「文明論之概略」など著した『福澤諭吉』の故郷と言った方が早いかも知れません。現在は「一万円札の人」としても知られているところです。
さて、このような地勢を持ち、かつ、数多くの偉人を輩してきた中津市は、平成17年3月1日に隣接する3町1村と合併し、キャッチフレーズも『山国川の「水」と耶馬の「もり」のめぐみを受け、「ひと」が育ち、癒され、たゆみなく「もの」がうまれる、「ひとにやさしい」新しいまち"なかつ"』とし、魅力ある暮らしやすいまちづくりに向けた取り組みを進めているところです。今回は、その中でも中津市教育委員会の一つの
取り組み事例を紹介したいと思います。
■市長の一言
きっかけは、平成16年9月議会における新貝市長の一言でした。つまり、「今後、小学校の体育館の建設予定があるが、これを何とか県産材を使って建てていきたい。ただし、最近は材木を使う設計をできる方が少ないとかいろんな問題があるが、県産材の使用について十分考えていきたい。」と。この市長発言の背景には、市域の大部分を占める森林資源脆弱化への懸念がありました。林業従事者の減少、再造林放棄箇所の増加は全国的にも問題になってきているところですが、二酸化炭素排出抑制という環境面で優れた特性を持つ木材を活用し、循環させ、森林資源の保全を図ることは責務であり、それには公共施設における活用が有用であるという結論に至ったわけであります。
学校施設は、これまで防災上の観点から不燃堅牢化が進められておりましたが、建築基準法等の規制の範囲内で、かつ、防火対策を十分に考慮の上、コスト面にも配慮しつつ、適材適所に木材利用を図るための研究を教育委員会に求めたものです。
委員会では、この意向を受けて研究会構想を立ち上げ、まず、平成17年5月に「中津市木造校舎等研究会運営要綱」を定め、学識経験者や各種市内事業者団体(森林組合、木材協同組合、プレカット事業協同組合、建設業協会、技能士連合会、建築士会、建築設計事務所協会)に入会案内を行いました。
そうして、各団体から推薦を受けた16名と事務局で、平成17年7月11日に第1回の「中津市木造校舎等研究会」を行い、その後第7回まで開催を数えています。
■研究会の役割
研究会設置の目的
校舎、体育館等の学校施設整備に当って、ゆとりと潤いのある環境の確保と中津市における森林資源の活用を促進し、また、今後の木造建築のニーズに対応すべく、技術向上を目指す市内業者の育成を図る。
研究会の調査・研究課題として、
@木材を活用した木造校舎等の建築方法等の研究に関すること
A地元材の活用方法に関すること
Bその他、学校施設整備における木材活用の促進に関すること−−
の3点をあげ、その実施にあっては、民間事業者を主体に、学識経験者が助言を行い、事務局=役所は、その調整方を行うとしました。
当初は、構造材として、鉄筋コンクリートと鉄骨を使った工法に慣れ親しんできた近年の経験から、市の本気度を訝る向きもありましたが、視察や講演会を行う中、体育館の小屋組みにも地場の製材が活用できそうだとの機運が業者側、特に設計士に生まれ、独自の研究グループ活動が活発になっていったことは正に行政側が意図し、期待したところでした。

■プロポーザル
研究会活動とは別に、市は、建て替えを予定している鶴居小学校体育館について、設計業務に係るプロポーザルを実施することとし、平成18年11月に公募し、審査を経て平成19年1月にプロポーザルの特定を行いました。
このプロポーザル方式とは、建築の設計に係る業務の設計者を選定する場合において、一定の条件を満足する候補者の中から、当該設計業務に係る実施体制、実施方針、プロジェクトに対する提案等に関するプロポーザル(提案書)の提出を受け、書類審査及びヒアリングを実施した上で評価を行い、当該設計業務に最も適した者を選定する方式で、最も優れた設計案を選ぶ設計競技(コンペ)方式に比べ簡便であり、発注者、設計者の双方が過大な労力を割かずに設計者の選定を進められる利点があります。
もちろん、簡便さだけを求めたものでなく、発注者と特定者がコミュニケーションを重ねながら設計条件を練り上げ、具体的な設計作業を進めることを意図して、最も適切な創造力、技術力、経験などをもつ人(チーム)を選ぶこの方式を選択したところです。
今回のプロポーザルの特徴は、まず、参加条件の中に代表者は中津市内に本社(所)を有する者とするなど地域力アップを視野に入れ、課題として木材の選定や架構及び接合部についての提案を求めたところにあります。
特定者の提案は、木材使用について、適材適所を基本とし、地場流通材及び流通材寸を採用するなど有効活用の具体的方針が示されており、架構についても、特徴的な構造的システムの提案がなされており、在来工法による簡略・合理化された接合・仕口で、地元の伝統工法・技術を活かすことができる点などが評価されました。なお、特定者とは、平成19年度に鶴居小学校屋内運動場増改築に伴う基本・実施設計業務を委託する予定です。
■中津市の取り組みに対する外的支援
これまでの中津市の取り組みへの評価がなされたものでしょうか、平成18年末に日本木材学会九州支部より、同学会の教育研修プログラムの一環としてシンポジウムを中津市で行いたいという申し出を受け、平成19年2月22日にに「地材地建を地力で推進」(副題:中津市での先進的取り組みの成功に必要なものは?)と題するシンポジウムが開催され、地域材であるスギ材の継続的利用の可能性をそれぞれ専門家に説明頂くとともに、その成功のポイントを議論して頂きました。
当日は、市内事業者に止まらず長野県や三重県、兵庫県といった県外からの参加者もありました。
■本番はこれから
以上が、これまでの中津市教育委員会の取り組み状況ですが、まだ緒についたばかりで、本番はこれからであり、今後の中津市の教育施設に対する木材使用の継続化に向けた取り組みを具体的に進めてまいらなければなりません。
最終的に目指すところは、「中津で産出した木を、中津で加工し、中津で流通される資材器具を使い、中津の技術者で建築可能な木造体育館を低コストで実現する」ことです。
平成19年 3月17日
中津市教育委員会管理課 黒永俊弘
投稿者 machizukuri : 更新日2007年04月03日 | コメント (0) | トラックバック
2007年04月02日
久能石垣イチゴ狩りにおける通年型観光の事業の可能性
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1、はじめに ---産学共同研究事業の目的---
本稿では、著者が関わった産学共同研究事業---「久能石垣イチゴ狩りにおける通年型観光の事業可能性調査」(財団法人静岡産業振興協会から委託、委託期間:平成18 年8月1日〜平成19 年2 月28 日)---についての報告を行う。
久能石垣イチゴ狩りは、静岡市の体験型農業観光の中でも、最も代表的な観光事業であり、市内外から多くの観光客が訪れている。このイチゴ狩りは、冬から春に限定されている観光事業であるので、この地域への観光客の訪れは、一年の内でも、わずかな期間である。
そのため、イチゴ狩りのシーズンを外れると、この地域での人通りは閑散となり、閑散期を利用して、観光農園では、次期のイチゴシーズンに対応すべく、夏から秋にかけて、イチゴ苗の生育作業を行っている。
このような時期限定での観光事業であっても、シーズンのオフ期には、イチゴの加工製品の販売等で、年間を通しての観光農園の収入は、比較的に安定と思われるが、しかしながら、それは、絶対的に安定した高収入とは言いがたい。かつ、限られた時期のみに観光客が集中することは、逆に言えば、シーズンオフ期の閑散期には、この地域の経済活性化が見込めないことになり、いわゆる、シャッター通り、と同じく、地域の元気力や躍動力が沈滞しがちである。現実に、この地域では、若い労働力の不足が目立ち始めており、農園主の多くは、中高年者である。
地域の経済活性化、元気力、躍動力を高めるためには、この地域に、大きな人口の流れを作り出す必要がある。そこで、昨今、体験型の観光事業が全国的なブームとなっているが、この方式を、現状のイチゴ狩りに取り入れ、つまり、晩夏から早秋にかけて農園主が行っている石垣イチゴ苗の定植を観光客に体験してもらい、かつ、イチゴ狩りのシーズンが終わりかけた晩春に、イチゴジャム作りをも体験できるような観光プログラムを企画して観光客に提供すれば、通年型のイチゴ狩りが実現でき、それは、一年を通じて、この地域に観光客が訪れるということにつながるので、この地域の、経済活性化、元気力、躍動力を高めることになるだろう。このような観光事業が成功すれば、ひいては、若い労働力の回帰や後継者問題の解消、などにつながるのではないだろうか。
以上の問題意識の下で、イチゴ狩りの通年型観光事業の可能性調査を、「いちごランドマサミ」の川島正巳農園主を代表として、袋井市の観光バス会社である「さくら交通」、および、著者の三者が共同して行った。
2、事業の概要
本事業では、体験モニターを、定植体験、イチゴ狩り、および、ジャム作りの一連のプログラムに招き、彼らへのアンケート調査を通して「生の声」を直接に聞くことで、通年型のイチゴ狩り観光の可能性調査を行うこととした。具体的なスケジュールについては、 9月の晩夏から早秋の時期に、静岡西部を中心として、30 名程度のモニターを受け入れ、実際に、川島農園で、イチゴ苗の定植体験を経験してもらう。そして、生育したころの、翌年の1 月に、再度、モニターとして招待し、イチゴの摘み取りとジャム作りを体験してもらう。その毎回ごとに、体験時の印象や感想、意見などを、アンケート形式で回答をしてもらい、これら2 回のモニターの回答を下に、イチゴ狩りの通年型観光事業は可能性があるかどうか、そして、可能性があるとすれば、さらに、どのような点に問題があるのか、解決すべき点はどこにあるのか、などを検証することにした。
3、調査結果
本稿では、紙面の都合上、第1 回のモニター誘致の調査結果についてのみ、紹介する。
平成18 年9 月23 日、計画通りに、第1 回のモニターの誘致が行われた。モニターの総数は、およそ40 名程度となった。ポットからイチゴ苗を引き抜き、石垣の穴に入れて、土を寄せて固定する定植は、モニターの方々にとっては、はじめてで、面白かった様子に思えた。定植体験後、続いて、苗植えの体験を行った。苗植えをしたイチゴは、自宅に持って帰ることができるので、イチゴの苗が、どのように実を結んでいくのかを、リアルタイムに観察ができる。また、自宅にもって帰った苗の生育と、次回の摘み取りに来た時に、自分たちが定植した苗とが、どの程度、成育に違いが出るのか、などを比較することも、この体験のねらいである。定植と苗植えの体験を行って、どのような印象や感覚、意見をもたれたのかについて、その回答の代表例は、以下の通りである。
・ 「子供が大変よろこんでいた。」(男性、60 代)
・ 「新たな発見、植えることの楽しさが分かった。 」(男性、30 代)
・ 「効率的な定植方法に感動した。」 (男性、50 代)
・ 「イチゴについての認識を深めた。」 (男性、50 代)
・ 「親子づれならさらに楽しめる。」 (女性、30 代)
・ 「達成感があった。 」(女性、40 代)
というように、どれも、今回の定植体験について、大きな感動と喜びを表す回答であっ
た。意見や要望としては、
・ 「育成方法を説明したシオリ等を配布してほしい。」 (男性、50 代)
・ 「メールでイチゴの育ち具合の写真を送ってほしい。 」(女性、30 代)
・ 「苗植え体験で、自宅に持って帰ったイチゴ苗のその後の育て方を時期的に教え
てもらいたい。質問したら、答えが、HP 上かメールで教えてもらいたい。」 (女性、40 代)
・ 「生育ニュースを写真つきでもらいたい。」 (女性、50 代)
というように、イチゴの生育についての要望が、とても多く寄せられた。ネットやメールでの配信、パンフレットの作成など、定植体験を実際に事業として行うに当たっては、このあたりのサービスを、かなり充実させる必要があることが感じ取られた。
また、さらに踏み込んだ意見としては、
・ 「(定植体験が、あまりにも簡単であったので)定植までの苦労が読み取れない。」
(男性、60 代)
・ 「他の果実でも、同様の計画を立てればいい。 」(男性、60 代)
と、言ったように、観光客は、お仕着せの体験ではなく、いわゆる、本物の体験、を、望んでいることが伺われ、さらに、発展的に、このような農業体験型の観光事業を広げてもらいたいという、モニターの側の知的好奇心を揺さぶった形となった。
4、まとめ ---可能性について---
結論としては、体験型農業観光に対しての潜在的なニーズは大きく、とても魅力的なものなので、観光客にも受け入れられるはずであり、この事業の可能性は十分にある、と思われる。かつ、事業を展開する上での技術的な運営についても、今回のモニターを通した実験で経験もした。本事業の代表者である川島氏も、「この事業が、来年度から本格的に実現すれば、地域の経済活性化、後継者問題などにも大きく寄与することになるだろうし、そのためにも、今回のモニター誘致で培ったノウハウを活かして行きたい」(静岡放送のテレビ取材)と、述べている。
著者としては、このような農業体験の観光は、ただ、地域の経済活性化に寄与するだけではなく、「命・いのち」ある植物を定植し、そして、その実を食するということで、自然学習というだけではなく、こころの教育、人倫教育、などにつながるだろうと考える。その意味では、このような農業体験型の観光は、小中学生の総合学習の一環として、道徳、社会化の授業の教材として活用をしていだきたいし、定植体験は、「食育」のひとつである食を自らが育てる楽しさの実感、勤労の尊さやありがたさの再認識にもつながるとも考えられる。また、高齢者のこころのケアーや生きがいの実現にも、活用をしていただきたい。いきいき・はつらつとして、元気に、健康に余生を過ごすためにも、屋外に出て、動植物に触れる、ということは、とてもすばらしく、効果的であろうと考える。そのためにも、車イスが入り込める、いわゆる、観光のバリアフリー、が実現されれば、なお、すばらしいことである。
地域への経済効果、という面で言えば、このような通年型の観光が実現すれば、少なくとも、年2 回、のリピーターが見込まれるし、5 月のジャム作りでリピーターということであれば、年3 回が見込まれる。つまり、地域への経済波及の機会が、年に、2 から3 回、ということになり、地域にとっては、好ましいことであろう。ただし、実際問題として、イチゴ狩りの体験型観光のみで、年に2 から3 回のリピーターが見込めるとは、少々、思えない。そこで、例えば、夏には、久能石垣イチゴの定植体験と三保真崎海岸でのマリンスポーツ、秋には、やはり、定植体験と久能山東照宮、日本平の散策を組み合わせるというように、広域的な観光プログラムを作成することも必要であろう。すなわち、伊豆周辺で行われているイチゴ狩りとの差別化を積極的に図ることで、久能周辺地域への経済波及が大きなものとなることが期待される。
新田時也
投稿者 machizukuri : 更新日2007年04月02日 | コメント (0) | トラックバック
