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2007年11月25日
第159号

住民の力で家具の転倒防止
在宅の高齢者をどう守る?
地震による家具の転倒から高齢者や障害者を守ろうと、名古屋市内で活躍する住民のボランティア・グループがある。福祉住環境コーディネーターの児玉道子さん(41)が代表を務める「わがやネット・かぐてんぼう隊」だ。地域住民や学生らに家具の固定方法を指導して誕生した「施工部隊」。年に1回、高齢者や障害者の自宅を訪問し、避難経路にある家具を移動したり、転倒の恐れがある家具を固定している。3年前から始め、これまでの施工実績は200軒、隊員の数は150人に達した。「バリアフリーの住宅改修も家具固定も、安全確保のための住環境整備という点では共通したテーマです。20年先の日本は、財政は厳しいし人はいないし、建物も老朽して、病院施設も不足しているような状態。そのとき、誰がどうやって地域社会を維持していくのか。そのヒントを活動の中から見つけたい」。児玉さんは福祉住環境コーディネーターという立場で、地域防災にも取り組む理由をこう語る。その活動は内閣府からも評価され「第2回全国防災フォーラム最優秀賞」(2006年8月)を受賞した。
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東京消防庁、中越沖地震の調査結果
39%が家具で負傷
家具の転倒防止がどれほど防災の上で役立つのか?東京消防庁によると、「近年発生する大きな地震では、30?50%の人が家具の転落・落下により負傷している」(防災課)という。今年7月16日に発生した新潟県中越沖地震では、同庁が行ったアンケートで39%の人が家具類の転倒や落下により負傷したことが明らかになった。転倒・落下防止策の実施率はわずか30%だったという。
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厚さ6.2mmのガラスでエネルギー消費45%削減
真空層で断熱するエコガラス
熱を伝えない真空技術を使って、高い断熱性能をもたせた世界唯一のガラスがある。日本板硝子梶i東京都港区)が開発した「スペーシア」だ。単にガラス2枚を使って、空気の断熱層を設けていた従来のペアガラスとは異なり、同商品はガラスの間を完全に真空化することで厚さを従来の半分にした。さらにガラス表面に特殊な金属膜をコーティングすることで日射熱を51%、紫外線を82%カット。その断熱性能は従来のペアガラスに比べ、約3倍、ガラス1枚の場合に比べ約5倍に高まるという。既存のサッシをそのまま活用できるためリフォーム市場を中心に引き合いが相次いでいる。1997年発売以来、10年で、年間数十億円の市場に成長している。
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スポーツで地域活性化
急増するスポーツ施設へ人工芝採用
まちづくりの一つの方向として注目を集めているのがサッカー、フットサル、野球、ラグビー、テニス等のスポーツ施設の拡充によって、大会開催やイベントを通じて地域の活性化を図ろうという試みだ。その主役として最近関心が高まっているのがプレー性や安全性、さらにメンテナンス費用の点から優れているといわれる「ロングパイル人工芝」。採用が急増する体育資材の現状を追ってみた。
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高齢者の家 200軒施工
児玉さんは2000年に「わがやネット(福祉住環境コーディネーター中部推進協議会)」という団体を設立。介護保険利用の住宅改修について、障害を持つ施主と工事業者の間に立つコーディネーターの育成に取り組んできた。家具の固定に取り組み始めたきっかけは、バリアフリー改修をした施主から言われた「わしゃ家具の下敷きになって死ぬのか」という言葉だった。
「病院から戻ってきたばかりの方で、精神的に不安定だったこともあって、ポロっと出た言葉だと思うのですが、何とかしなくてはいけないって思いましたね」(児玉さん)わが家ネットの活動に、新たに家具の転倒防止を加えることを決めた。「もちろん住宅の耐震診断・改修をすることが大事なのですが、介護保険で20万円の手すりをつけるのも、もったいないと言っている高齢者が多いのが現状ですから、簡単に耐震改修というわけにはいきません。だったら、きっかけとして家具の固定をすることから始めたいと思ったのです」(児玉さん)
家具の転倒防止を社会的な運動にしたい――。こう考えた児玉さんは2004年、仕事の傍ら通っている名城大学大学院の研究生や、同大学の学部生に呼びかけ、かぐてんぼう隊(家具転倒防止隊の略)を発足させた。ところが、いきなり大きな壁にぶち当たる。それは施工現場が無いということ。ボランティアとはいえ、勝手に人の家に上がり込むわけにはいかないし、PRする手段もない。そんな中、ある学区長との出会いが、かぐてんぼう隊の活動を一気に前進させることになった。
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投稿者 machizukuri : 更新日2007年11月25日 | コメント (0) | トラックバック
2007年11月15日
第158号

戦略的な行政政策とは?
テーマは「子どもの幸せを広げる」一点突破
幼児虐待、不登校、引きこもり、いじめ、校内暴力、学級崩壊などなど、日本の未来を担う子ども達の周辺には、目を覆いたくなるような惨状が横たわっている。テーマを「子どもの幸せを広げる」という1点だけに絞り、実現のために戦略的な施策展開をしている市がある。北海道恵庭市(人口6・8万人)だ。読書コミュニティー、酪農教育ファーム、ガーデニングのまちづくりなどの多様な政策は、最終的にはテーマのために位置付けられている。共感する地域社会は積極的にボランティア活動に参加、結果的に、まちづくりにもつながっている。酪農教育では年間6500人の子どもらを受け入れ、料金収入が1000万円にもなる農家もあり、地域経済活性化にも寄与している。目からうろこの政策展開は着実に市の人口を増加させてもいる。従来からの行政施策に対し、「子どものため」という一点突破でありながら、産業政策まで含めた戦略的なまちづくりを進める市の事例にスポットを当てる。
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シリーズ3 社会保障研究家が正す
遺書を利用した孤独死防止策!?
一人暮らしの老人がだれにも見取られることなく死んでいき、何日間も気づかれない。こういうのを「孤独死」というが、身寄りがいない者に限られるわけではない。遺品整理業の人が書いた本に載っている事例である。
エレベーターがなく、階段で上り降りする公営住宅の3階に住んでいた75歳の老人が死後1か月して発見された。遺体が溶け出して布団が変色し、布団の中には無数のウジ虫がうごめいて…」という状態であったから、専門業者に依頼することになったのだろう。依頼主は中年の息子で小学3年の孫と父親の部屋のすぐ上の4階に住んでいた。
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世界先取り環境ビジネス エコガラス
窓ガラスで断熱・遮熱日射60%・紫外線90%カット
断熱の関心の高まりから一般的になりつつあるペアガラスよりも、断熱性・遮熱性に優れた「エコガラス」を普及推進しているのが板硝子協会(東京都千代田区)。冬の断熱以外にも夏の日射に効果を発揮。日射を約60%、紫外線を90%カットする。少ないエネルギーで快適な環境を実現。空調にかかる電気代を年間5万円削減の試算もあり、財布にも地球にも優しいガラスとして注目が高まっている。
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地域再生の視点シリーズ42
再開発のコツ教えます!
夜間の割安な電力を利用して冷房用の冷水や氷を蓄熱槽に蓄え、エネルギーを昼間の冷房に利用する蓄熱空調システム。04年、水の2〜3倍の熱量を蓄えられる「水和物スラリ」という溶液を、水の代わりに冷媒として用いる空調システムを開発したのがJFEエンジニアリング梶i本社:東京千代田区)だ。システムを導入すれば1次エネルギーを10〜40%削減でき、自社の事務所ビルでは年に800万円のランニングコストを削減できている。経産省が普及を促進するほか、環境への貢献度などが評価され今月19日には日経地球環境技術賞が贈られる。
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施策の成果は人口増加に
行政施策は、総花的でテーマが多方面に分かれわかりにくい、と従来からよく批判されてきた。北海道恵庭市の中嶋興世市長は初めて挑んだ平成17年11月の市長選で、候補者は商品、売れる(市民の負託を受ける)ためには徹底的な差別化が必要だと考えた。打ち出したマニュフェストは「子どもの幸せを広げる」という1点に絞り、何をしたいのかを明確にした。泡沫(ほうまつ)候補といわれた同氏は市民の共感を獲得し、3選を目指す当時の現職を破る奇跡を起こした。
就任後、「子ども」のための庁内横断的・戦略的な施策展開が本格的に行われ、結果的に市のまちづくり施策としての展開にもなっている。
中嶋市長は「自治体のミッションは地域社会の問題を解決すること。最大の問題は、幼児虐待、いじめによる自殺といった子どもに関すること。日本の未来がどんどん崩れつつある。国のテーマでもあるのだ。『年金』が最重要課題なのではない。この解決が日本の再生につながる」と述べる。
投稿者 machizukuri : 更新日2007年11月15日 | コメント (0) | トラックバック
2007年11月05日
第157号

図書館も水道も民間委託
PPP(官民協働事業)の先進地 群馬県太田市
国や地方の財政状況が厳しさを増す中、新しい地域経営の手法としてPPP(官民協働事業:パブリック・プライベート・パートナーシップ)に注目が集まっている。これまで行政によりほぼ独占されてきた社会資本整備や公共サービスの提供について、地域の企業やNPO、市民らが連携することで、行政コストの削減やサービスの向上、さらには民間企業のビジネスチャンスが拡大するという考え方だ。
群馬県太田市では、平成13年度から図書館運営を地域住民によるNPOへ委託したのを皮切りに、福祉施設の受付や案内、清掃業務、市民会館の窓口や舞台業務、さらには市役所の総合案内業務までもNPOや有償ボランティアへ任せている。19年4月には市民が口にする水道業務についても取水から料金徴収まですべて民間企業へ委託。これら「民力」の活用により年間2億円を超えるコストダウンを実現している。
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gooリサーチで地方分権と民間委託について調査
小中学校や生活保護は民間委託が難しい
NTTレゾナント株式会社(東京都千代田区)と株式会社三菱総合研究所(東京都千代田区)は、「地方分権と民間委託」に関するインターネットアンケート調査の結果をまとめた。国と地方の施策(公共サービス)をめぐり、地方分権や民間の動きが活発になっている中、公共サービスの受け手となる住民側がどのように認識しているかを調べた。その結果、民間委託については小中学校や生活保護、保健所、税・公金徴収などは難しいとの認識が示された。調査は、国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」の登録モニターおよびgooユーザーを対象に7月12日〜18日まで行い計1万8996人から回答を得た。アンケートでは、公共サービスの提供を民間に移行してよいかについて質問した結果、民間委託については小中学校や生活保護、保健所、税・公金徴収などは難しいとされた。一方、実際に民間委託が進んでいる生涯学習や都市内交通などについては容認の姿勢が示された。全サービスの平均値としては、民間に移行してよいとする比率(55・9%)の方が、民間に移行すべきではないとする比率(44・1)より高かった。
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松下電器産業のパルックボールプレミア
電気代が年間2000円以上も安くなる
誰でも簡単に省エネができる新しい電球形蛍光灯「パルックボールプレミア」を開発したのが松下電器産業鰹ニ明社(大阪府高槻市)。60Wの電球とまったく同じ大きさ・明るさでありながら消費電力を約80%ダウン。電球の約10倍、1万時間の長寿命を実現。と省エネ商品の中では購入しやすく、取り組みやすい省エネとして注目を集めている。
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テクノ菱和の工場用加湿システム
CO2・ランニングコストを50%削減
半導体などを製造するクリーンルームでは、冬場にボイラーや電熱で水を蒸気にして加湿するため、消費エネルギーが大きかった。これを解決したのが潟eクノ菱和(本社:東京豊島区)が01年に開発した加湿システム「エコウェット」。従来は利用されなかった、冷凍機や生産用の冷却水など低温の排熱を利用することで中規模の工場で年間1000万円近い加熱コストをゼロにできる。同時に、CO2とランニングコストも約50%削減。現在、さらに低温の排熱を利用できるタイプやオフィス用の加湿器を開発中だ。
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年間2億年超の経済効果
蛇口をひねれば当たり前のように出てくる水。公共サービスの象徴とも言えるこの水道事業を太田市では今年4月から民間企業(明電舎ら3者で構成するアドバンストビジネスサービス)へ包括委託した。
包括委託とは、浄水場や管路の維持管理業務、給水装置の管理業務、検針・料金徴収、会計処理など、水道に関係するほぼすべての業務をそっくり1つの企業へ任せるということ。市水道局によれば「取水から蛇口までの業務をすべて民間企業へ委託するのは全国初ではないか」とする。通常、水道事業は行政が管理・運営を行い、漏水修繕やメーターの交換といった細かな業務を各々、民間企業へ発注をしている。太田市のように、こうした業務をすべて1つの会社に任せられれば、それだけ効率化が進み、経費も削減できるということになる。
しかし、自治体の中には、市民が直接口にする、言い換えれば人命に直結する事業に民間の競争原理を用いてコストダウンを図ることには慎重論も出ている。この点について太田市水道局の小宮山善洋局長は「口の中に入るものだから官がやるべきで、民がやってはいけないということはおかしい。あくまで法律にもとづいて的確に行うものなので安全面では心配していない。ただし、市民が行政か民間のどちらかを選ぶといった余地がないことは認識している。市民の評価を見ていかなくてはいけない」と語る。
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投稿者 machizukuri : 更新日2007年11月05日 | コメント (0) | トラックバック
