2008年05月

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2008年05月25日

第177号

まちづくり新聞177号.jpg

知財戦略は、まちづくりだ!
コミュニティー再生から始めよう!

 企業はもとより地域社会を対象に知的財産(以下知財)への意識・モラル向上を図ることで地域活性化を目指そうとする自治体がある。(神奈川県)川崎市だ。20年2月には知財を尊重する風土の形成や、地域産業の強化を目的とした「知的財産戦略」を打ち出した。大企業に眠っていた知財(特許)を地元中小企業へ移転、商品化に成功しつつある事例も出て来ている。マイクロソフト梶i東京)との連携の中で、市民レベルでの醸成というユニークなテーマも生まれた。知財を切り口とした地域再生・まちづくりの試みにスポットを当てる。

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地方の知財取り組みは?
30都道府県・2政令市で策定

 特許庁は20年3月、都道府県・政令指定都市における知的財産に関する取り組み状況に関する調査結果をまとめ公表した。30都道府県および2政令市で「推進計画など」を策定。鳥取県では条例を制定している(条例制定は鳥取県のみ)。47都道府県および17政令市を対象に19年10月アンケート調査を実施した結果をまとめた。30都道府県および2政令市で「知的財産推進計画など」を策定、鳥取県は「知的財産の創造などに関する基本条例」を制定。19都道府県および2政令市では「地域ブランド戦略」をまとめている。このほか「知財経費補助事業制度」などの状況。先進的な知財支援を実施している地方公共団体事例として、東京都、愛知県、鳥取県、横浜市を紹介している。

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三鷹市SOHO事業の実績は?
10年間1000社、6700人の雇用創出

 ITキーワードのまちづくりをテーマとした「ICTまちづくり連携」(三鷹市)は5月10日、三鷹市内で設立総会を開いた。基調講演で、SOHOCITYみたか推進協議会会長の前田隆正氏(まちづくり三鷹取締役)が「多様な可能性を切り開くSOHOの展開」というテーマで登壇した。その内容から。年間SOHO(Small Office・Home Office、少人数で起業する人々など)事業を展開してきた。これまでの実績データが出たところ。1社あたりの売上高は5538万円、1社あたりの従業員数は6.7人(常勤5.4人、臨時1.3人)。

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国支援事業、6月13日まで募集
地方で不動産証券化をやろう!

 国土交通省は「不動産の流動化・証券化に関する実施過程検証など事業」の募集を受け付けている。募集期間は5月13日から6月13日。地方における不動産証券化の普及がテーマだ。実施過程検証など事業」は「地方における不動産証券化市場活性化事業」の中の1つ。「活性化事業」は20年度で1億円を予算化している。「実施過程検証など事業」は、なかなか行われていない地方で、具体的に不動産証券化に取り組むモデル事例に対し、国が専門家アドバイスなどを実施し支援する。20年度は、6月13日までの募集後、6月中旬〜下旬まで書類審査、通過事例に対し7月上旬から支援開始(アドバイス実施)、21年1月中の「アドバイス内容報告書」提出、その中から選定したものに対し作成費を支援することで「実施過程報告書」(契約書など)提出を求める(21年2月末まで)。「地方における不動産証券化市場活性化事業」は19年度からスタート。普及が進まない地方(東京23区を除く)での不動産証券化を、国が支援することで具体事例をつくり、地域活性化につなげることが目的。

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大企業知財を中小へ移転

 平成20年1月24日、富士通梶i東京)と褐和電機(川崎市)は、市のコーディネートにより、特許ライセンス契約を結んだ。富士通が抱えていた「拡大視認装置」という製品検査装置技術を光和電機が購入、開発を進める。大企業において自ら開発しながら要求する売上が見込めないため眠っていた知財を、中小企業に移転、商品化が可能になった事例だ。もちろん光和電機から富士通に対する費用(支払い)も発生する。市の知的財産戦略策定モデル事業「知的財産交流会」成果の第1号だ。川崎市産業振興部の伊藤和良部長は「富士通は使っていなかった知財を開放することで収入になる。中小企業の光和電機は自ら開発せずに製品化が可能になる。大企業と対等の関係がつくれる。両者ともにメリットがあり、ひいては地域活性化につながる」と説明する。富士通梶℃走{金3246億円、従業員3万5637人(2007年9月20日現在)。褐和電機=資本金1000万円、従業員47人。事業内容は各種検査システムの設計製造販売など。

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投稿者 machizukuri : 更新日2008年05月25日 | コメント (0)

2008年05月15日

第176号

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ファンドで商店などを活性化!
総額10億円、投資実績は15社

 大阪市中心で花屋の多店舗展開を進めてきたアイ・アンド・エイホールディングス潟Oループ(大阪市、以下I&A)は、東京進出にあたり西武しんきんキャピタル梶i榊原隆社長、東京)の運用するファンドから株取得による出資を受け、出店原資に活用した。I&Aは2年〜3年後の株式上場を目指す。ファンドは「商店街ファンド1号」でサービス産業を対象に投資をする。総額10億円で、これまでの実績は15社。ファンドという切り口で地域の商店などの活性化に挑む事例にスポットをあてる。

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国交省土地情報課長が講演
地域の不動産市場活性化を目指す!

 国土交通省土地・水資源局土地情報課の麦島健志・課長は「CRE戦略・PRE戦略の取り組みについて」説明した。4月25日、都内で行われたCREマネジメント推進コンソーシアム(東京)の合同連絡会で。その内容から。のPRE研究会(国土交通省の公的不動産の合理的な所有・利用に関する研究会)は20年度で、ガイドライン・手引きの作成や、国の支援方策の検討などを行う。研究会は19年度に立ち上げ、課題を整理し、アクションプランをつくった。この中でマニュアルの必要性、情報受発信システムづくり、人材育成、国の支援策などを挙げている。国が最後に目指すのは地域での不動産市場の活性化。地域で土地取引が活発化し動きが継続されることが大切。

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法政大の地域づくり塾とは?
普通の主婦も受講、大学合宿まで

 法政大学(東京)地域研究センター特任准教授の宮木いっぺい氏に同大学が開講している「地域づくり塾」についてインタビューした。―法政大学が実施している「地域づくり塾」ってどんなもの?文部科学省「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」委託事業の採択を受け、19年度から21年度までの3カ年間展開している。石川県白山市、岐阜県飛騨市、秋田県仙北市と当大学が、19年5月(白山市)、同10月(飛騨市)、20年2月(仙北市)に、それぞれ協定を結び、その中の一環として進めている。法政大は先に同省「現代的教育ニーズ取り組み支援プログラム」(現代GP)を受託、そのノウハウを地域に広めたと考えることもできる。―現代GPって何?文科省の助成を受け16年度から18年度までの3年間、東京都台東区(ここでも協定を結ぶ)の中小企業を対象に実践的体験教育を実施した。学生を企業の課題解決のできる人材に育成することがテーマ。結果、中小企業・地域の活性化が図れたのではないか(学生からの提案を受け入れた店の来客数が2倍に増えたケースも)。実績を踏まえ19年度からは「社会貢献・課題解決教育」という大学独自のカリキュラムにしている。このハウツーを地域づくりを担う人材育成に応用しようと考えた。

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若手「士業」が横断組織
中小企業を元気にしたい!

 地域の中小企業を元気にしたい!地域活性化の原点だ―。こうした思いを抱える税理士・司法書士など若手「士業」が団結し、地域の中小企業の課題解決に乗り出した。専門分野の垣根を越えた組織による活動で相乗効果を狙う。全国的にも、めずらしいとされる活動にスポットを当てる。主に神奈川県横須賀・三浦地域で活動する税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・中小企業診断士の8人(30代中心)は20年2月に「横須賀・三浦地域活性化プロジェクトチーム・LEAP(飛躍の意、代表=農田慎・税理士)」を発足した。横須賀市産業振興財団(横須賀市)の支援を得て、月1回の無地域産業の即戦力となる担い手をつくることを目的に高大連携を進めている。米沢工業高等学校に専攻科を設け(平成15年4月開講)、山形大学と地域の経済界が支援。第1期生(情報技術コース5人)の就職率が100%という成果を得た。専攻科は、情報技術・生産技術の2コースで構成。主に地域の工業高校卒業生を受け企業メセナ協議会(東京)は「メセナアワード2008」の募集を行っている。
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地元信金が独自の展開図る

 大阪での実績を踏まえ、東京進出、株式公開を目指すI&Aは、東京での店舗開設費用を、平成18年に「商店街ファンド」からの出資で調達した。銀行融資に対し、ファンドからの投資は原則、返済義務はない。ただし上場後、株売却による投資回収を図る、といった契約を西武しんきんキャピタルと結んだ。ベンチャーキャピタル(ファンド運用会社、以下VC)にとっては投資契約書が一種の「担保」になる。I&Aは資金とともに上場に向けた成長を加速させるための経営支援などもVCから受け得る。西武しんきんキャピタルの榊原社長はI&Aへの投資について「大阪での実績と、従業員に対する教育の姿勢などを拝見し決めさせていただいた」と振り返る。

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投稿者 machizukuri : 更新日2008年05月15日 | コメント (0)

2008年05月05日

第175号

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被災業者が連携して仕事創出
弁当プロジェクトが地域経済を救う

 2004年の新潟県中越地震、そして07年の新潟県中越沖地震と2回の大災害にわたり、地元零細企業をいち早く立ち直らせたプロジェクトがある。被災した地元業者らが連携して、被災者やライフラインの復旧企業らに弁当をつくって提供した「弁当プロジェクト」だ。「被災地で弁当を作れば仕事が生まれる。仕事で得られた収入は被災者の生活再建への重要な資源となる。仕事があるということは被災者の精神的な支えとなり、地元の事業者が頑張ることは被災地に復興の希望を与える」。独立行政法人防災科学技術研究所リスク政策チームリーダーで「弁当プロジェクトのススメ」(発行:独立行政法人防災科学技術研究所)の著者・永松伸吾氏(35)は、被災者が自ら仕事をつくることが、復興の大きな鍵になると語る。その仕組みは、飲食業にとどまらず理髪やクリーニング、さらには大工・建設、衣服など地域をマーケットに事業を営んでいるあらゆる業種に当てはめられる可能性を秘めている。一方で、これまで「寄付すること=支援」と考えられてきたボランティアや義援活動を見直すきっかけにもなりそうだ。

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シリーズ 議員が提案する政策条例の動向
家族ぐるみで読書運動を推進

 読者に質問である。次の内容を規定した条例があると思われるだろうか。@〜Bそれぞれ「O」か「X」の二者択一で考えてもらいたい。@読書の意義を再認識し、家族ぐるみの読書運動を薦めている。A毎月9日と29日は、住民は酒を飲まない「休肝日」と決めた。B地域ぐるみで子どもをほめまくることにした。さて、回答である。@は「O」である。その名も「高千穂町家族読書条例」である(宮崎県)。高千穂町条例は、町の教育長の「読書活動推進」に対する強い思い入れにより制定したものである。高千穂町条例には「この条例は、読書の意義と教育的効果を再認識し、行政と学校並びに町内の各家庭が一体となって家族ぐるみの読書運動に取り組むことにより、家族間の望ましい人間関係の醸成と次代を担う子どもたちの心豊かな成長に寄与することを目的とする」(第1条)と明記されている。この目的を受けて、同町は文部科学省の「生きる力をはぐくむ読書活動推進事業」のモデル地区の指定を受け、高千穂町と地域が一体となった読書活動の推進を図っている。かなりユニークな条例である。

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福岡県が国を動かした
整備が進まない防災無線に革命

 災害情報をいち早く市民に伝える防災行政無線。2004年9月には国民保護法が施行され、その役割はますます高まっている。しかし、総務省によると全国における同報系の防災行政無線の整備率は約75%(18年度末)にとどまる。整備が進まない大きな理由は地方公共団体の懐事情だ。こうした中、福岡県では05年、それまでトラック業界などで使われていたデジタル移動無線「MCA無線(mcAccess e)」を、防災行政無線として活用するという奇想天外な発想により、整備費用を従来の3分の1程度に抑えることに成功した。国の考え方までを変えさせた福岡の挑戦は、防災行政無線における「革命」とも称されている。福岡県では7市町村がすでに新システムを導入し、当時34%と全国ワースト2位だった防災行政無線の整備率はこの2年間で51%にまで延びた。

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千葉・静岡・鳥取が100%
全国の防災無線整備率

 MCA無線によるふくおかコミュニティ無線の導入を決めた。このうち、大宰府市(人口6万7000人)では市内62カ所に拡声器を取り付け、総事業費を1億円以内(8850万円)に抑えた。防災安全係では「15年度の大雨でかなりの被害が出たことで防災行政無線の早急な整備を検討していたのですが、安くできるということで導入を決めました」(担当者)と話す。県内では、19年度末までには計7市町村が導入。34%だった防災行政無線の整備率はこの2年間で51%にまで延びた。あと数年で全国平均並みにはなる見通しだ。一方、機能面についても、学識経験者や関連メーカーの担当者で協議会を設置し、システムの制御方法などについて広く検討された。送信に必要なのは無線機とパソコンだけ。屋外の拡声子局だけではなく、移動局(車載型や持ち運び型)に対しても一斉に情報を伝達できる。その特長を生かし、グループごとに配信できるようにしたり、送信画面からそれぞれの子局が正常に動いているかを一目で確認できる機能も取り入れた。総務省の全国瞬時警報システム(JALERT)についても音源変換装置を付けることで子局からサイレン音で流せるようになっている。

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 2004年の新潟県中越地震。地震発生からおよそ2週間後、小千谷市では市内の避難所で生活する避難者の食料として8000食の弁当を被災した市内業者によって供給しようという活動が始まった。通常、被災地の食の確保は災害対策本部に必要数を連絡すると、被災地外で製造された弁当等が避難所へ届けられる。しかし、新潟県中越地震では、被災市町村が複数にわたっていたため、必ずしも十分な個数が届けられないことがあり、さらにめまぐるしく変化する被災地では明日の弁当が何食必要かを確定することが困難な状況だったという。加えて、交通事情が悪く、できあがった弁当は長時間かけて運ばれてくる。食中毒など二次災害の危険もあった。そこで、食料調達を担当していた小千谷市会計課の職員が、日頃から付き合いのあった会席組合の組合長に弁当の地元での製造を打診。8000食という大量な弁当はとても1社だけではさばけないため、組合長から地元の鮮魚商組合が紹介され、同組合が仕事を受けることになった。

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投稿者 machizukuri : 更新日2008年05月05日 | コメント (0)